『ハンセン病胎児標本が多数』--国に人の命の大切さを説く資格など皆

全国の国立ハンセン病療養所などに、胎児と新生児のホルマリン漬け標本が114体残っていることが27日、構成労働省の第三者機関による調査で分かった。
違法な人口妊娠中絶のほか、出産直後に命を奪ったケースもあるとし、研究など使用の目的もないまま数十年間、漫然と保存されていたと指摘。「入所者と胎児の尊厳を傷つける問題」と指弾している。
胎児標本の存在は知られていたが、全容が明らかになったのは初めてとのこと。実際に殺害された患者数は114体どころではないだろう。200を越えるか、いや500人か、それとも数え切れない数の死者が病院の前庭に埋められているかもしれない。『殺人病棟-殺される子供たち』という言葉がぴったりな場所だ。
胎児標本が作られたのが1924年から1956年にかけてのことだから、このデータからだけでいくと、最も古い標本で80年前、新しいもので49年前ということになる。今ごろになってようやく『警察に届け出しましょうか。どうしましょうか。』などと抜けぬけとおっしゃられる。
対応が遅いだけではない。『検討』する必要性なんてどこにもない。放置する期間が長ければ長いほど、「時間の経過が著しい及び、関係者が存命していないなどの理由ため『不起訴』になりました。」可能性だってある。泣く子を抑えこんで窒息死させた看護婦は少しは苦悩しなかったのか?如何に公的組織内での行為であろうとも、やったことはれっきとした『殺人行為』。
『泣く子を抑えこんで窒息死』させるなんて想像するだけでもおぞましい。お国のためなら、殺人も平気でやれる人間が『やくざ』以外にいることに驚きを隠せない。人間としての思いやりのかけらもない人間が過去に存在していたと思うだけで反吐が出る思いがする。日本は旧ナチス政権を病院に温存していたと言われても、反証の余地は一切与えられることはない。

全患協運動史―ハンセン氏病患者のたたかいの記録

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