インド洋大津波被害国支援--交錯する支援国の思惑--

1月6日に開催されたインド洋大津波復興支援にまつわる首脳国会議はその日のうちに会議を終えたが、その会議の中で策定された共同宣言は各国の思惑もあり、一筋縄にはいかなかったようではある。
当初、国連をして「特別基金」を設置させ、被災国の復旧及び、復興を一元管理させる案があったのだが、オーストラリア、日本、アメリカ、インド等による「国連外し」の意図があったこともあり、特別基金の設置には至らなかった。
「国連主導」を原則としてなんとかまとまったかのように見えてはいるが、「資金を直接受け渡ししたい」「直接のやりとりをすることで平和的活動の分野で一旗上げたい」国々の思惑がそこここから噴出し、連携がうまくいっていない部分が多いようである。
またそのことによってか知らずか、物資の輸送は現地の輸送手段の寸断や、現地スタッフの被災等により予想以上に滞っている。実際、現地の人々に行き渡っている割合は全体の25%に過ぎない。このままでは、感染症の拡大が心配される。現在食料援助が必要とされる人々の数は全体で約200万人にものぼる。
国連により各被災国の状況を把握させ、その状況に応じて的確な対応が必要となってきているのが現状である。迅速な対応により多くの人々の命が救われることを願って止まない。

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