強制連行で韓国人被爆--責任はいずこに

太平洋戦争中に朝鮮半島から広島市の旧三菱工業の工場に強制連行され、被爆したとして、韓国人徴用工40人が、国と三菱重工業などに総額4億4千万円の損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決で、広島高裁の西島幸夫裁判長は19日、請求を退けた一審広島地裁判決を変更し、国に対し原告一人当たり120万円、総額4820万円の支払いを命じた、んですって。
強制連行なんて体のいい言葉を使ってますが、いわゆる拉致行為。それに対してこの補償とはあまりに少ない。額で量られるものではないにせよ、これでは被害に遭われた方々に対してあんまりだと思います。
日本は今だからこそ拉致被害国家だとか言っていますが、かつてはこのような恥を恥とも思わぬ非人道的行為をしていたんですねぇ。戦争は「有害無益」であることを改めて思いました。
ただ、今回の裁判で画期的であったのは、(あまりにも遅すぎる判決だが、今ごろになってようやく)戦後補償を巡る訴訟で、高裁が初めて国に賠償を命じた判決となりました。しかし、国と旧三菱による元徴用工の強制連行(拉致行為)について「日韓請求権協定」及び、時効などを理由に、原告に対し請求権を認めない判断を下しています。さらに上告し、これを最高裁にまでもっていけば、またあっさりと覆されるんでしょう。
真実を泥で覆い隠すことなく、真っ当な裁判が行われることを心より希望してやみません。

朝鮮人強制連行の研究 (金英達著作集) (金英達著作集 2)

朝鮮人強制連行の研究 (金英達著作集) (金英達著作集 2)